「あれ?隆斗くん?」

ちょっぴり高い女の人の声に足を止めた

「士崎さん」

綺麗な人…

大人っぽい服装にメイク…真っ直ぐな長い髪

あたしとは全然違う…

他にも何人か男の人と女の人がいる

胸がモヤモヤする

この人達は誰?

楽しそうに話す先輩の腕をそっと放した

「隆斗くん、そっちの子は彼女?」

チラチラと視線を感じる

嫌…

見ないで欲しい…

「ああ。まぁ…」

歯切れの悪い先輩の答えに胸が痛んだ

ちゃんと紹介して貰えなかった…

あたしは先輩の彼女じゃないの?

先輩の言葉が…態度が…痛かった

嫌な気持ち…

モヤモヤして…チクチクして…

涙が溢れて来そうだよ