「あの…」

外に出て少し進んだ所で立ち止まった

次の授業が始まるせいか周りにはそんなに人は多くない

「灯ちゃんだよね?」

あたしは頷いた

「俺、健って言うんだけど、灯ちゃん俺と付き合わない?」

軽い告白…

何も感じない

「ごめんなさい」

あたしは頭を下げ謝った

「何で?彼氏いるとか?」

「いえ、好きな人が居るんで…」

もう一度あたしは謝った

「ふーん。じゃあ、俺にもチャンスあるかな」

ニャっと笑いあたしの腕をグイっと引っ張った

「キャッ」

バランスを崩し気付くと健という人の顔が目の前にあった

顔がどんどん近づいてくる

「イヤ…イヤ…」

必死に顔を反らそうとするが身動きが取れない…

キス…されちゃう…

ギュッと目をつぶった

チュッ

唇に触れる暖かい感触

気持ち悪い…

唇が離された途端あたしは力任せに体を突き放した