あの日から………

俺には、3人の敵が出来た。

正確に言うなら………2人の敵と………。

1人の……………………。

2人の敵は良い。怒られて当然の行為をしたから…………。

ただ、1人の行動は胸を苦しめる。




伊藤さんは、次の日から登校して来た。

休むことを、覚悟していたのに…………………。

門前で会っても、何ら変わりなく「おはようございます。」と挨拶し

笑顔まで見せてくれた。

…………………………………??………………………。

不思議に思いながら、「おはよう」と返すと

笑顔のまま教室に向かった。

その後のホームルームでも、出欠の時

「長く休んですみません。」と言い、今日からまた頑張って

文化祭の仕事もこなすと話した。

放課後まで普通に授業を受け、その後は部活に向かい

夕方頃、文化祭の仕事を始めた。

「先生、一階の部屋とお茶室を取れました。
お抹茶と道具も貸して下さるそうです。」

「あっ、あぁ。」

意気地のない俺は、あのことに触れることもなく

ただ、彼女のとる行動に合わせて…………時が過ぎるのを待った。

彼女の心がどうなのか………考えもしないで。