ガチャン!とコーヒーカップの音がしたと思ったら

立ち上がり玄関に飛び出す彼女の姿が…………

「ちょっと、ちぃちゃん!!」

慌てて後を追う樹。

「和君、最低!!!」

棄て台詞を残して去って行った。

………………………。

最低なのは………よくわかってる。

あえてそうしたんだから……………。

これで俺を嫌いになればいい。

初恋がこれでは…………彼女が可哀想過ぎる。

一緒に笑いあえる、年相応の相手と恋をするべきだ。

今なら俺を好きになる前に………引き返せる。

家庭が辛いなら………せめて恋くらいは、笑っていて欲しい。