「和君、やめてよね~
ちぃちゃんがびっくりしてるじゃない。」

樹に言われて、2週間ぶりに彼女を見ると………

今にも泣き出しそうな顔をしていた。

「あっ!ごめん。樹に言ったことだから………。」

取り合えず座らせて、コーヒーを入れる。

「ごめんね。今日は、カルピスがないけど……」

うつ向いたまま首を振る。

何故ここに彼女がいるのか話せ!と目で訴えると………

首を捻る樹。

あぁ??

意味が分からず睨んでいると………

「すみません。勝手にお邪魔したりして…………
1週間も学校を休んでいるのに…………。
ここのところ毎日お邪魔していたんですけど……先生に逢う勇気がなくて。
学校ではなく……先生に逢ってお話しをしたいと思ってたら………
学校に行けなくて。
さっき偶然樹先生に逢って…………連れて来てもらいました。」と……

俺に逢うために、毎日来ていた?

学校を休んで??

「アホ!!補導でもされたらどうする気だ!
第一、話したいことがあるなら………学校に来い!!」

俺の剣幕にびっくりしたのか………とうとう泣き出した。

「あっ…………ごめん…………。」

トーンダウンする俺に

「和君が無視するって聞いたよ?」と痛いところをつく。

確かに、イジメでもないのに………無視は良くない。

「それは………まぁ。」

言いようがなく……困っていたら

「ごめんなさい。
私が先生のことを好………」

「それは言わなくていい。」

冷たい言い方だけど、遮った。

聞くわけにはいかない。

「ちょっと和君!」

「樹は黙ってろ!!
伊藤さん、それについては………聞かないから。
変に誤解させるような態度をとってしまったなら……謝る。
これからは……誤解させることのないよう
1生徒として対応します。
なので………準備室にも来ないようにお願いします。」