冷たい指切り  ~窓越しの思い~

最近よく伊藤さんと目が合う。

誰に当てようかと、クラスを見回した時や朝の出欠を取るとき。

門で登校時の挨拶をしている時に………準備室から外を眺めた時。

とにかく、普通の生活を送っている時に合うのだ。

何か話したい事があるのだろうか??

特別思い詰めているようには、思えないのだが。

「伊藤さん、今日の放課後職員室にきてもらえますか?」

いつも準備室では、変な噂がたってしまう恐れがある。

疑われてしまうと、困るのは彼女なのだ。

「文化祭の場所取りの打ち合わせをしたいので。」

これは本当にある仕事、だから職員室にしたのだ。

出店は、場所によって大きく売り上げがかわる。

その為、場所取りは大切になってくる。

理由によっても決まるから、それらしい理由をつけて書類を提出する。

「ちぃ、頑張って!」

「ひろ、ファイト!!良い場所、お願いね。」

みんなに応援されている彼女を見ると………

プライベートの相談にのろうとしている俺が、ズルく感じる。

「はい、静かに。それでは、教科書の…………」

自分の嫌な部分を誤魔化すように、授業を開始した。