冷たい指切り  ~窓越しの思い~

「お姉ちゃんがね、夢を諦めようとしてるの。」

唐突に始まった彼女の言葉。

夢って……先生になることを???

俺もそうだったけど……

教師って仕事を選ぶ人は、思いつきで進路を決めてない。

小さい頃から夢を持っているか

影響を受けた人物によって、夢を持つか

とにかく、『なりたい!』と思ってなる。

まぁ、国家試験を受けたり専門の学校に行かないとなれないから

当たり前ちゃ当たり前だけど。

特に姉ちゃんは、子供の頃から夢にみて努力してきたと聞いた。

そんな人間が、簡単に諦めるか??

おまけに、幼稚園の先生になる専門の学校に行っているから

資格ももらえるのに…………。

「何でまた………。」

「私のせいなの。
今、保育所の実習に行ってるんだけど……帰ってもすることがいっぱいで……
朝早く行くから、ご飯もお弁当も作れなくって。
そんなの当たり前だし、自分でするって言っても……納得してくれないの。
仕事をしたら、もっと大変だからって……
私が受験生になるのに、これではダメだって…。
だから……友達のところに行くってウソついて、家出したの。」

「はぁ??家出?!」

「だって!お姉ちゃん、変に頑固だから説得が無理なんだもん。」

いや、でも………家出って……。

「それで、家出は何処に??」

「中学の友達のところを転々と。
ご飯までお世話になる訳にいかないから、コンビニでおむすびを………。
でも……資金が底をついてきたから……おむすびも一日一個になって……」

「…………………って、どれくらい家出してる??」

一日一個って……。

転々としてたら寝不足にもなるよ!

「う~ん??二週間???」

二週間もそんな生活??