紗由理と電話を切ったあと、結局すぐには寝付けず、わたしは次の日寝坊してしまった。


学校に着いたのは9時30分だった。


だから今日は17時30分まで残らないといけなくなった。


教室につき、洸がいることはわかっているから、

わたしは扉を遠慮がちに開けてしまった。


昨日のことがあるから、なんせ気まずい。


補習は残り一週間ちょっと。


わたしはそのあいだ、早川くんと紗由理に言われたとおり、ちゃんと洸を警戒しなきゃ...。


だけど見るからにそんな態度もできない...。


普通にしつつ、危険と思ったらすぐに逃げる。


よし...!

意気込んで教室の中に足を踏み入れたのに、視界に入った彼の姿に、わたしは一瞬にして気が抜けた。


洸は、長い腕をまくらにして顔をこちらに向けて...眠っていたのだ。


わたしの机には洸が持ってきてくれたのであろう今日のプリントがすでに置かれてある。


わたしはつい音をたてないように席に座った。