...なんだか変なかんじ。
わたしの好物を出してくれて、まるで、まるでだけどわたしと洸が付き合ってるみたいじゃないか...。
って......ん?
なんか...おかしくない?
変...そう、変だよ。
「洸...」
「ん?」
「どうしてわたしの好きなもの、知ってるの?」
パソコン室のとき、りんごジュースを買ってくれたのは、偶然だと思っていたけど...
今回のバームクーヘンはどう考えたっておかしい。変だ。
しかもこのバームクーヘンは、わたしが一番好きなデパートの地下に売ってある壱圄屋(いちごや)のものだ。見て食べてすぐにわかった。
“俺が食べたくて買ってきたわけじゃねえから”
一人暮らしの洸が食べないものをわざわざデパートまで買いに行った。
......そんなの、絶対おかしいよ。
「...さあ?どうしてだと思う?」
洸はそう言って挑発的な瞳をわたしに向ける。
「ど、どうしてって...」
洸の考えてることなんて、わかるわけない。
いつも余裕そうにわたしを扱うんだから。
だけど...、
だけど......。
「...っ...」
ボッ!と顔が一瞬にして熱くなるのを感じた。
この場合わたしが見透かすはずなのに、
「なに想像した?」
なんて洸のほうが見透かしたようにわたしを見てくる。



