「...うわ~...!!」
洸の家の最寄り駅に着いて下りて、わたしはすぐにわかった。
ここ、高級住宅街だ。
そして5分ほど歩いたところにあるマンションに到着する。
た、高~!!
目の前に立ちはだかる高層マンションにポカンと口を開けて言葉を失ってしまう。
さ、さすが大企業の社長さんなだけある...。
手前の自動扉の奥にインターホン的存在の機械が見えるけど、わたしはまず自動扉に入ることもためらってしまった。
ききき来ちゃった。
ででででも、ここで引き返すっていう選択肢もあるんだ。
どどどどうしよう...!!
ーープルルルルッ
カバンのなかから大きく鳴り響いたその音に、わたしはまるで悪いことをしているのがバレたときみたいにビクッ!としてしまった。
な、なんだあ、電話か。
安心して、着信者がだれかも見ずに通話ボタンを押してしまった。
「もしも...」
『晴香』
その声にわたしの心臓は勢いよく跳び跳ねた。
「こ、洸!?」
『なんでそんな驚いてんだよ』
だってびっくりした。
初日にケータイ電話を奪われ、自分のケータイに電話をかけワンコールで切った彼。
よってお互いの電話番号はたとえワンコールであっても分かるわけで。
わたしも一応の一応登録したけど、この番号が反映される日が来るとは思わなかった。



