「隠したってむだよ!!
そういやあんた、夕べご飯のとき上の空だったじゃない!!あれはそういうことだったのね~!!」
なんてまるで少女みたいに笑っているのが自分のお母さんなのか信じがたくなる。
たぶんだけど、今までわたしが彼氏できたことないから、こういう話が嬉しいのだろう。
「わたし、行かな...」
「ほら、前にクリーニングしておいたこのワンピース、お母さんのクローゼットに間違えて入れてたから出しておいたわよ!」
「こ、こんなの着ていったらデートみたいじゃん!」
「みたいじゃなくてデートでしょ!?」
「だからちがうってばー!!」
このあともいろいろごちゃごちゃ言われて、結局行かざるおえなくなり...。
髪の毛ボサボサでノーメイクで行くのもいやだし、それなりにはちゃんとして...。
12:20。わたしはニヤニヤ笑顔のお母さんに見送られ、無事家を出た。