洸の左手はわたしのお腹に置かれていて、

右手はマウスに置いているわたしの右手を包んでる。


長い足は開かれてそのあいだにわたしがいて、

教室のイスと違って背もたれがないもんだから彼の体は容易にわたしの背中に当たってる。


まるで肩に顎をのせるように洸の顔がわたしの顔の横にあった。


わたしの全身が熱を持つのに、

1秒もかからなかっただろう。


「な、なにするの!?」


離れようとしたらお腹にまわった腕をぎゅうっとされてまったく動けない。


余計に体と体が密着してしまった。


「洸!!やだ、離して...!!」


「えーっと、これはな?

まず最初の設定がミスってんだよ」

洸はわたしのことなんて無視して円グラフの説明をしはじめる。


息づかいがすぐそばで聞こえてきて頭がおかしくなりそうになる。


わたしの右手を包んだままマウスを動かされ、体を支配されたような感覚におちいった。