休憩とか言ってたくせに...これを買いに行ってたの...?
そうだとしたらびっくりだけど...うれしい、かなり。
ペットボトルのフタを開けてゴクンとりんごジュースを喉から胃に流し込む。
甘くてすっきりしてて、喉が乾いていたからさらにおいしい。
偶然だと思うけど、わたしはりんごジュースが一番好きだ。
炭酸は飲めないし、果物のジュースで選ぶとしたら絶対りんごだ。
だからなんだか余計にうれしかった。
自然と顔がほころぶ。
そんなわたしを洸にじっと見られていることに気がついた。
「...な、なに」
「いや、べつに?」
「そ、そうデスカ」
そんな綺麗な顔でわたしみたいな平民顔を見つめないでいただきたい。
ペットボトルの蓋をしめてパソコンの横に置き、
再開しようとマウスを動かそうとしたら。
「さてと。晴香のつまずいてる円グラフでも手伝おうかな?」
なんて言いながらキャスターを転がしてわたしの後ろにまわってきた。
「えっ」
と声を漏らしたときには、
わたしは洸に封じ込まれていた。
彼の大きな体に。