「ばらす?」
「最低な偽物王子だってこと!!学校中に言いふらしてやる!!」
「...へえ」
洸は面白い物を見るような瞳で反撃するわたしを見据える。
「お、脅しじゃないから!!
先生にだって、言ってやる!!」
先生からの厚い信頼なんて、崩れちゃえ!!
我ながらいい作戦を思い付いたと思ったのにーー
洸にはまったく、そんなの効いていないようで。
「だったら...言いふらされる前に、
その口ふさいでやろうかな?」
不適な笑みを浮かべてわたしの唇を親指でツー...となぞってきた。
また、キケンな香りがする。
「ふふふふさぐって...!!」
あらぬ想像をしてしまい、カアーッと再び頬に熱を持つ。
思わずシャーペンを手から落としてしまい、ソレはカシャンと音をたてて洸のイスの下に転がった。
洸がソレを拾ってくれている隙に、わたしはイスからバッと立ち上がった。