昨日、わたしと望月くんは前から2列目の真ん中の2列に隣どおしで座った。
だけど今日は...
彼は昨日と同じ席だけど、
わたしは一番後ろの端に腰を下ろしたのだ。
彼は後ろをクルリと振り返り、いち質問を投げかけてきた。
昨日、彼の本性を知るまでわたしは同じ空間にいるというだけでドキドキしていた。
だが、本性を知ったあとはそのドキドキはパタリとやんだ。
百年の恋も一時に冷めるとはまさにこのこと。
むしろ、その整いすぎている顔と高身長がもったいなく感じるほどだ。
早川くんのほうが、よっぽど性格がいいよ!!
病院にお見舞いに来てくれたり、労りのメールをくれたり、昨日だって補習がんばれメールを送ってくれて、
隣の席だったわたしを何かと気遣ってくれるんだ。
性格いいってああいう人のことを言うんだ!!
望月くん、見習ってほしいよ!!
わたしは心のなかでそんな強気なことを思ったけど、
「どこの席に座っても、いい、でしょ」
と結局語尾が弱くなってしまった。