そう言う紗由理の性格は、たしかに現実的である。


将来性のない人とは付き合わないタイプといったら分かりやすいだろうか。


わたしより背が高くて、顔付きも大人っぽいから童顔のわたしが並ぶとまるで先輩と後輩みたいに見られる。


まあ童顔なことコンプレックスじゃないんだけどね。


「現実には王子様なんていないって言うの?紗由理はもう少し夢見たほうがいいと思うよ!?」


この前のショッピングのときだって、“こんなの日常生活で必要ないね”なんて言いながら品物を見ていた。


「まあ、ハルが描いている白馬の王子様はいないでしょうね」


「白馬の王子様って!わたし、そこまで夢見てないよ!?」


白馬の王子様を思い描くのはさすがに小学校低学年まででしょ!!


「あれ、そうだったの?私はてっきりそれくらいだと」


「若干馬鹿にしてるでしょ!!」


「してないわよ~、私はただ、ハルに現実を見てほしいだけ!中学のときもさ、けっこーよさげな男子に告白されたのに、フッてたじゃん」


「その人はタイプじゃなかったもん。

紗由理、現実見ろって言うけど...王子様なら、隣のクラスに実際いるよ」


わたしはその人を思い浮かべながら言った。