そして次の日ーー俺は朝早く紲のお墓に向かった。


コウヤマキに水道水を、湯飲みにミネラルウォーターを入れ変えて、お墓の上から水をかけて。


周辺の雑草を抜いて綺麗にした。


紲は綺麗好きだったからな。


今でもそのまま残る紲の部屋は、だれか特別な来客でも来るのかと思うくらい、整理整頓されている。


俺は線香に火をつけ、真ん中にお供えした。


お墓の真ん前にしゃがみこんで、そっと手を合わせ目をつぶる。


俺たちは、紲のもとへ向かうまで、絶対に紲のことを忘れない。


紲のぶんまで精一杯、自分の人生を歩む。


だからどうか、俺たち3人をいつまでも見守っていてください。


そう祈りを込めて。


そしてお墓参りを終えた俺はーー学校へと向かった。