俺様王子とふたりきりの教室~甘くてキケンな1ヶ月♡



“彼女”より、俺のほうが、あの男の子に近かったんだ。


一歩踏み出して、腕を伸ばせば、きっと助けられた。


それができていれば...

“彼女”は無傷で済んだのに...。


足も手も動かなかった。


声さえ出なかった。


俺はなんて......無力なんだ。


そして、あの“彼女”はーーなんて勇気ある子なんだ。


この高校に首席で入学し、 優等生として振る舞う俺なんかより...

よっぽどできた人間だ。


“真瀬晴香”


それが彼女の名前。


次の日の学校で、俺はそれを知った。


隣のクラスの女子だった。