ーー8月31日。
今日は夏休み最終日だ。
この日は隣町で行われる花火大会があり、俺は誘ってきた女と行った。
花火が終わると、帰ることになり女と駅でわかれた。
俺も自分の家につくための電車に乗り、帰路に着いた。
電車から下りると、前の車両の扉から白い浴衣姿の紲が出てきた。
「洸も同じ電車だったんだ!」
電車は満員のためまったく気がつかなかった。
並んで夜道を歩いた。
「洸ってばまた女の子と行ってたの?」
「まーな」
「何組の子?」
「知らねえ」
「うわー!多過ぎて覚えられないってこと?モテすぎ!!」
覚えられないというか、覚える気はない。
「紲だってモテるだろ」
紲は言うまでもなく男女ともに好かれている。
「モテないよー!!」
それは高嶺の花だから近寄りがたいだけだ。



