夏休みに入り、俺は女と遊ぶか、自分の好きなことをするか、寝るかしかしなかった。 親からはとっくに見放されていて、注意ひとつされることがなかった。 相変わらず、紲への愛情はたっぷり注いでいるようだった。 紲はだれがみても完璧な自慢の娘であった。 成績は常にトップで礼儀正しく意欲があり性格もいい。 俺とは正反対だった。 紲と釣り合うといったら容姿のよさ、 勝っているところをあげるとすれば運動神経のよさくらいだった。