最高学年になり、もうすぐ夏休みに入ろうとしていた。
部活は先月に引退していて、もう本格的に受験勉強を始める時期となった。
そういえば中学受験のときに紲が“受験は夏からが本番”とか言っていた気がする。
当然勉強なんてまったくやる気のない俺は、高校なんて行けるところに行けたらいい、くらいにしか思っていなかった。
楽しかった部活を引退し、拓海とも絶縁してしまった俺は...
心にぽっかり穴が空いたようだった。
その穴を埋めるように、また誘ってきた女と遊び始めた。
そんな俺を見て、紲は悲しそうにしていた。



