俺の生活に変化が現れたのは、学年が上がり2年生になって間もない頃だった。
その日は体育があり種目はバスケだった。
小6の夏から紲と勉強していて、去年は種目にバスケはなかったから、約一年半ボールにすら触っていなかった俺。
だいぶ鈍っていたが、思ったよりは体が覚えていた。
放課後になり教室から去ろうとしたら、「望月っ!」と後ろから声をかけられた。
それはあきらかに男の声だった。
俺は男子からあまり好かれていないから何の用だと思った。
好かれていない理由は、勉強も部活もしなく女にもだらしないから、ということは自覚していた。
振り返ると、そこには今年初めて同じクラスになった早川拓海が立っていた。
「望月って、もしかしてバスケ経験者!?」
早川は異様に目をキラキラさせていた。
俺の瞳とは正反対だと思った。



