「...俺がいなくなるからって、アイツとあんまり仲良くなんなよ」


耳元で、ささやくように呟かれた言葉。


うまく理解できないし、そもそも抱き締められていることに頭がついていかない。


洸に抱き締められたことは何度かあるけれど、その度にわたしの体温は上昇して、自分でもびっくりするくらいに鼓動が速くなる。


だけどそれはきっと、男の人ならだれでもこうなるわけじゃない。


...洸だから。

洸だから恥ずかしくて、洸だから嬉しくなる。


わたしも洸に触れたいけど、そんなことはできるわけなくてされるがままに抱き締められる。


もう、洸になら何をされてもいい気がする。


そんなことを思ってしまうほど、わたしは洸のことをーー。