声が震えそうになる。


だって、わたしはあのメールで彼を怒らせたと思っていたから。


でも、悪いことをしたとは思っていないので再びメールを送ることはしなかったのだ。


突然の電話に鼓動が速くなるーー


『いきなり電話してごめんね。

真瀬、補習おつかれさま。

もう家着いた?』


優しく落ち着いた声が耳に届いた。


いつもの早川くんだ。


ほっとしてしまう。


「う、うん、着いたよ。早川くんもお疲れさま」


『俺、今部活終わったんだ。いきなりで悪いんだけど、今から会えない?』


「えっ」


『真瀬の家の近くに行くから』


「わかっ...た。じゃあ、○○カフェでもいいかな?」


わたしの家から徒歩5分のこじんまりとしたカフェだ。


『りょうかい。40分ごろ着けると思う』


「うん...!」


電話は切れた。


わたしは部屋着に着替えるのはやめて、いったん心を落ち着かせた。