いじわるな藍川くんの愛が足りない



人のベッドで。

しかも、藍川くんの。


「...か、彼女がいるのにこんなことしたらだめ、じゃん。わたし、修羅場に巻き込まれるなんて、ごめんだよ」


「俺の彼女は心が広いんだよ」


「...でしょうね」


「あ?どういう意味だ」


「なんでもない」


そう言ってベッドの横に座っている彼に背を向けた。


寝顔なんて、見られたくないし。


数秒後、頭になにかが置かれた。


藍川くん、の手のひらだ。


ゆっくり、ゆっくりと髪の毛をなぞるようにして頭を撫でてくれる。


わたしはなにも反応できなかった。


...胸が苦しくて言葉が出なかったからだ。


苦しくて、苦しすぎて。


甘く甘く締め付けられて...

このまま握りつぶされるのかと思った。