いじわるな藍川くんの愛が足りない



「どうしたらいいんだろ!!」


「そんなの、勇気出して話しかけるしかないでしょ」


「えええいきなり!?」


そんなの絶対無理!


しかも、彼はいつも寝ていて、話しかけるタイミングなんてない。


「じゃあ...手紙?」


「手紙も渡せるタイミングない!!」


まわりにはたくさんの人がいるのに、電車のなかでなんて渡せるわけないし、

彼はいつも急いで乗り換えの電車に移動するし。


「じゃあ...彼の隣に座ってなにかしら仕掛けるとか」


「彼の隣が空いてることなんてまずないよーーっ」


今まで1、2回空いてたこともあったけど、

座るって考えただけでドキドキして、結局いつもと同じようにつりかんに捕まって立った。


「じゃあもう、代わりにわたしが話しかけてあげようか!?」


「そうしてくれるとすごくうれしいけど、それはさすがに」


「だよね」


舞はいろいろ提案してくれるものの、

わたしの勇気が芽生えることはなかった。