いじわるな藍川くんの愛が足りない



「来たか、間宮!新学期そうそう遅刻なんて、気が抜けているぞ!」


教卓に立っている担任にまったく、というように言われる。


「すみません...」


「そういえば間宮、終業式の日にも遅刻していたよな?」


思い出したように言われ、クラスメイト全員の前で恥さらしにされる。


恥さらしなんて、先生はそこまで深く考えていないと思うけど。


だけどわたしは...

クラスメイトというより、今教卓のそばに立っている“彼”に知られたことがーーいちばん嫌だった。


「ーー先生。その日間宮さんが遅刻したのは、実は僕のせいなんです」


......え?


彼が申し訳なさそうに告げた。


「藍川のせい?」


「はい。ちょっと、駅のホームでいろいろありまして」


「そうだったのか。それなら、あのときしかって悪かったな、間宮。席座っていいぞ」


「は、はい...」


「そうだ、間宮。藍川と友達なら、今日の放課後学校案内してやってくれ」


「...!?」


わたしの驚きは声にならなかった。


「たのんだぞ」

じゃないってば...!!!


わたしの席は、ーー1番左側の、1番後ろーーだったのに。


後ろから、2番目になっている......おかしい。おかしすぎる。


「藍川の席はーー間宮の後ろだな。おお、ちょうどいいな」


いや、なにもちょうどよくない。


なにが起こってる?


これは夢?わるい夢?


いったいどういうことーー!?