いじわるな藍川くんの愛が足りない



「ちょっと!お母さん!どうして起こしてくれなかったの?」


9月1日。

ちょうど1ヶ月の夏休みを終え、今日から新学期。


9月って数字だけみたら秋な感じがするのに、まだまだ夏みたいに暑い。


目が覚めると、夏休みダラダラしていたせいでアラームの音が聞こえず寝坊してしまった。


「あら~?まだ夏休みかと思っちゃった」


わたしが夏休み遊びすぎて呆れられたお母さんに、わざとらしく言われる。


もう!


わたしは心のなかでつぶやいて急いで支度しはじめた。


急いだおかげで、いつもより一本遅いだけの電車に乗ることができた。


ホームルームの時間に到着できるだろう。


でも、遅刻は遅刻だ。


わたしは......3両目に、乗ってしまった。


入学当初乗っていた2両目のほうが、すぐに乗れる位置なのに。


......癖だ。これは仕方ない。癖だから。


一本遅れたから、当然ながら藍色の彼の姿はない。


どこかホッとしている自分がいた。