いじわるな藍川くんの愛が足りない



「それにどうせ...彼女いるし、わたしが少しずつアピールしたとしても、どうせ結果は同じだったんだよね」


「詩織...」


結果はどうせフラれていたんだ。


むしろ、彼女がいるって知らないままアピールしていたほうが、あとからのダメージが大きかったかも。


だからむしろ、きっぱりフラれてよかったんだ。


言い方はきつかったし、まさか彼があんなに低い声を出すとは正直思わなかったけど...そんなの当然だよね。


朝急いでるときに、初めて見た他校の女から告白されたら、だれだって迷惑極まりないよね...。


「...よし!もう、忘れる!!あの人のこと、考えない!!」


わたしは立ち上がってそう宣言した。


「夏休みに入ってくれて、ちょうどよかったのかも!今月中に、あの人への気持ち、さっぱり忘れる!!」


「詩織...!うん、そうだよ!2学期始まったら、学年のイケメン見に行こ!!」


「うんっ!!

舞ごめんっ、化粧するからちょっとだけ待ってくれる?」


「全然いいよ!」


わたしは急いで化粧を施して、家を出る準備万端にした。


「おまたせ!」


「じゃあいこっかー!」


わたしたちは街に繰り出して、ショッピングを楽しんだ。


それから残りの夏休み、わたしはめいいっぱい予定を入れまくった。


海行ったり、お祭り行ったり、遊園地行ったり、カラオケ行ったり映画行ったり。


きっと来年や再来年は、受験勉強をしなければならない。


まだ一年生なのをいいことに、親に呆れられるくらい遊んだんだ。


藍色の彼のことも、少しずつ、わたしの頭から消えていったーー。