わたしが目が合ったと思っただけで、きっと彼はそんなこと思っていない。
ただの、毎日同じ時間に電車に乗っている他校の女子高生としか思われていないはずだ。
ーーそれで、いいの?
会えなくなる1ヶ月、きっとわたしは毎日君のことを考える。
きっと考えるだろう。
だけど君は反対に、わたしのことなんて記憶から消えてゆく。
他校の女子高生、という記憶さえ、消えていくだろう。
ーーほんとにそれで、いいの?
『扉が閉まります。扉付近の方は、お気をつけください』
そんなアナウンスが流れて、その1秒後、きっと扉は閉まってしまうーー
ーー頭で考えるより先に、わたしの体は勢いよくホームに飛び出していた。



