そして、夜の12時になる前
そっと、男の子の病室に行き、
男の子にキスをした。

「バイバイ。
ほんとに幸せだったよ。
私の分も精一杯生きてね。」

涙を流さないようにしてたのに
溢れてきた。

どうしよ、今さら死にたくないとか…
もう、生きるのを諦めなきゃいけないのが
辛くなった。

でも、私の命を君にあげるのは
とても嬉しいことだし、少しは…少しは…
あの子のためになったと思う。

12時になった瞬間…
私の姿は薄くなり、寝ている私の呼吸も止まった。