「おはよう百武。今日はなんて気分の良い朝なんだ!」

「はよ。気分の良いってお前、どしゃ降りじゃねえかよ!」

「あたしの心は晴れだよ!悲しいかな、百武の心には雨が降っているのだね。」

うんうん、と慰めるように百武の肩を優しく叩く明は、上機嫌だ。

「何キャラだよ!でなに?なんか良いことあったの?」

「あったんじゃなくて!これからあるの!」

ほら、見てみて、と鞄の中からクリーニング点の紙袋が出される。

「ああ、先輩のね。返しに行く時、言って。俺もジャージ貸したまんまだから。」

何気なくそういう百武の顔面に、明の掌が突きつけられる。

「うおっ!」

「ドント ウォーリーだよ。1人で行って、ちゃんと百武のジャージももらってくっからさ!」

パチンとウインクをかます明とは反対に、心配が顔に現れる百武。

「3年の教室まで1人で行けんのか?この前も行けねーっつって、購買前で待ってたんじゃねえの?」

ハッ!!

ウインクまでして得意そうだった顔から顔がみるみる歪む。

「そうだった〜。仕方ない、百武、ヘルプミー!」

「はいはい。」

俺もだいぶいいように使われてんな、と思いながらも、別に悪くないかと納得する百武であった。