綺麗に泣く


ラインが来てからすぐに、百武は家にやって来た。

忘れ物というのは、文化祭で着た、クラスTシャツだった。

「お前さー、Tシャツ忘れてくとか、臭くなるぜ?しっかりしろよ、んなことやってっといつまで経っても振り向いてもらえねーぞ」

「なに!百武最近絡んでくるよね!ウザいんだけど!言われなくてもわかってんだけど!」

「いや、昔からずっと絡んでるわ」

図星な明は、プーと膨れるばかり。

「あ、あとな、巨乳好きとか言うなよ!俺はもちろん!恥ずかし目にあったけど、お前も大概だぞ、そーゆーんが先輩に届いてみろ、おま」

「っるさい!」

さらに追い討ちをかけてくる百武の言葉を遮って、思わず怒鳴ってしまった。

「あ、わり。言い過ぎた。」

「いや、あたしもごめん」

なんとなく気まずい雰囲気になって黙り込む。

ヴーヴー

明が手にしていたスマホが鳴り出して、沈黙を破る。

「え!え、うそ!」

スマホの画面を確認して、目をパチクリさせる。

その間もスマホは鳴り続ける。

「あ、出ろよ」

じゃあな、と百武は帰って行く。

「百武!なんか、ごめんね!!あたし、もうちょっと百武に迷惑かけないように頑張る!いつもありがとう!」

大声で手を振る。

百武は、振り返ってあっかんべーをした。

別に、いんだよ。迷惑かけても。と心の中で呟きながら。