私が歌を好きになったのは7歳の時。

お母様は歌がとても上手で、一緒に丘に散歩に行く時や家のバラ園にバラを積みに行く時には2人で手を繋いで歌っていた

♫〜ありふれた言葉よりも何億の笑顔よりも永遠の歌を〜♫

『お母様!このお歌、なんて言うの?』

『これはね、永遠の愛の歌っていう曲なの、美実も心から愛する人に巡り会えた時にはきっとこの歌を思い出すわ』

お母様はそう言っていた。

それから3ヶ月くらいたってお母様の病気が再発してバタバタしてた時、

お母様のいる病院に樋口が連れていってくれた時にはもう私の知っているお母様ではなくなっていた。頬はこけて、唇は青白く、肌も白く細く、声も、、あの透き通った綺麗な歌声も、、消えていた。

それから4ヶ月、雪の降る12月にお母様は天国へと旅立って行った。

ほんとにお母様との思い出は歌くらいしかない。

今でも思い出す『永遠の愛の歌』どんなけ調べてもネットにも本にも出てこない幻の歌、結局誰が作った曲なのか分からないまま10年過ぎてしまった。

♫〜いつかあなたに会いに行ける日あの歌をここで歌うの〜♫

いい歌詞なのに、誰が作ったんだろう?