「美実〜?また怖い顔してるぅ〜
てかさ!駅前にできた新しいカフェ行こ〜よぉ〜」


「あ、涼花!ごめん、行きたいのは山々なんだけど樋口、、、あ、執事が迎えに来ちゃって、」

樋口から出る、どーでもいい。早く乗れオーラーが凄い。

「そっかぁ〜ざ〜んね〜ん、んじゃバイバイ!また明日ね!」

「うん、また明日」

リムジンから見える景色はシロクロのように私になんの感情も与えない。

それどころか走行音しか聞えないリムジンの中は音楽もラジオも話し声も何一つ聞こえてこない。

窓の外を見れば同じ制服を着た子達が楽しそうに笑いながら、喋りながら歩いてる。

それに比べて私は普通の女子高生では無い。
感情表現が苦手な、、なんなんだろう?

そんなことを考えていたら執事長の樋口がジンジャーエールをグラスに入れてこっちに来た。

「お嬢様の本日のご予定を確認いたします。本日は特にありません。しかし最近お嬢様の成績の方が少し下がられていらっしゃる為、数学を強化される事を強要致します。これらは全てお嬢様のためを思いましてでございます。」

「でたでた、樋口のそのお嬢様のためを思ってってやつ。仕事だからしょうがないけどさ、私ももう高3なの、18なの数学が下がったって言っても学園1位はキープしてるでしょ?結果が全てなの。お父様にそう言われてるのモチベーション下がること言わないでよ!」

それでも樋口は顔色何一つ変えずにただただ一点を見つめてる。まるで人形のように。

気味が悪い