私が一番、苦痛に感じる時間。
お昼休みがやって来た。
「香耶すごいじゃん!ハート?」
入学してすぐ仲良くなった、里奈(りな)と
千夏(ちなつ)が驚いたように言う。
香耶が開いた美味しそうなお弁当には、ご飯のことろに海苔でハートが描かれていた。
「そうそう!京ちゃんのお弁当の練習代に自分用作ったの」
香耶は、はにかんだ笑顔で私たちに言う。
「じゃあ今頃、香耶のダーリンはニヤニヤしながらお弁当食べてるのか〜」
里奈が「いいなぁ〜私も彼氏欲しい!」と香耶の頭をぐりぐりしながら嘆く。
「い、痛いよ!」
それに香耶が笑って返す。
「里奈は可愛いんやから、彼氏なんかすぐできるやろ」
真顔で、ズバリと言う千夏に、
「千夏〜!!好き〜」
里奈が抱き着く。
