自慢じゃないけど、昔から勉強の容量はいい方だった。 それは、常に一番でいろって言う父の愛のない教訓に苦しまされていた、私へのせめてもの救いだったのかもしれない。 「できました、先生」 黒板にずらりと並んだ数式に、 振り返ればぽかんと口を開けている先生。 「せ、正解よ……」 先生が悔しそうにそう呟くと、クラスから拍手が起こった。