「バカにしてるでしょ」



私のことをヒロって呼ぶときは大抵馬鹿にされてるときだからわかる。


「そうじゃなくて、俺もそう思ってたから」



「ほんとに?」



「ほんとだよ」


瞬が楽しそうに笑うから、私もつられて笑ってしまった。



瞬と話しているうちにいつのまにか、私のクラス1年2組についていた。



「送ってくれてありがとう」



「1人で行動すんなよ、それと危機感持て」



頭に手をぽんと置かれて、むくれる私。


「また子ども扱い、瞬お父さんみたい」



「お父さんでいいから心配させんな」



「…分かった」



「分かったならよろしい」



結局私を子ども扱いしたまま去って行った瞬はずるいと思う。