「瞬?」
「先輩、こいつに手出したら殴ります」
瞬の背中で前が見えないから、何が起こってるか分からない。
「めずらしい、佐川がそんなにムキになるなんて。殴られるのは怖いから今日はこれくらいにしとくよ」
イケメンの声が聞こえて、
「じゃあな!真尋ちゃん」
瞬間の背中から顔を出すと、イケメンと一緒にいた2人が笑顔で手を振って、去って行った。
控えめに手を振り返すと、
「こら」
と瞬に頭を叩かれた。
「1人で何してんだよ」
少し不機嫌な瞬。
「お弁当忘れたから、買いに来たの」
「友達は?」
「ついてこなくていいって私が言ったの」
「何かされたか?」
「瞬、質問攻めしないで。大丈夫だから」
