学食はいつものように賑わっていた。
適当にパンでも買えればいいと思い、足取りを進めると、
目の前に立ちはだかって来た、イケメンらしき人。
「真尋ちゃん、1人?」
「まじで、綺麗だな。お人形さんみてぇ」
「やべえな」
イケメンの取り巻きらしき人たちに顔を近づけられて、少し後ずさる。
馴れ馴れしすぎでしょ。
私なんかに絡むほど女の子に困ってるの?
先輩かもしれないから、そう言いたい気持ちを堪えて、愛想笑いを返した。
「俺、3年の、」
「先輩」
イケメンが何かを言い終わる前に、私の隠すようにその広い背中に隠したのは……
……瞬だった。
