「で、真尋、あんたお弁当は?」


千夏に見つめられて、


「へ?」


と、素っ頓狂な声が出た。


「へ、じゃないやろ。また忘れたん?」


そう言われて、鞄の中をのぞいてもお弁当なんて見つからない。


「…忘れちゃった」


首に手を当てて誤魔化すように、笑った。


すると、みんなは呆れたように私を見る。


「あんた、頭はあんなにええのに」


「運動神経も」


「真尋、京ちゃんの分と一緒に明日作ってこようか?」


「い、いいよ!それにそんな目で見ないでよ
千夏怖い」


そう返せば、みんなは一斉に吹き出した。


「たしかに千夏怖い」

里奈が笑う。