私が中学生の頃のお話–––


小学校では陽気で明るい性格だった。
そのまま地元の公立中学に入学した。
最初は学校が楽しかった。

ある日、友達がいじめに遭った。
正義感の強い私は友達を助けようとした。
それをきっかけに、いじめグループの刃が
一気に私の方へ集中した。

今度は、私がいじめられる番になったのだ。

朝学校に行くとロッカーは荒らされていて、
休み時間は囲まれて罵倒されたり
笑い者にされた。
授業中は先生の目を盗んで私へ
ゴミを投げ付けてきたり、
私に気付かれないようにホコリをつけて
クスクスと笑われた。

私は声も出せなかったが、
必死に助けを求めた。

授業中にいじめグループが投げたゴミが
先生の方へ飛んだ。
私は先生を見て心の中で
『助けて…!』と叫んだ。
すると先生は私の方を見てくれて、
「このゴミは誰が投げた?」と
みんなに問いかけた。
いじめグループが私を指差した。
先生は「次からしないように。」と言って
授業を再開した。
せめて、「お前がやったのか?」と
聞いてくれたら否定できたのに
頭ごなしに私だと決めつけられたことが
ショックだった…。

その後も彼らは私へゴミを投げ続けて、
ゴミを当てられてる私の姿が
とうとう先生の視界に入った。

これで助かる…と思った私は甘かった。
先生とも目が合ったのに、
先生は見て見ぬフリをして
授業を続けたのだ。

担任の先生も私がいじめられていることに
気付いていながらも、
何事も無いような素振りをする。

仲良かった友達も誰一人、
私に近付かなかった。
私から話しかけると嫌な顔をされる。
だからずっと独りだった…

放課後になって、部活に行くと
入口に先輩が立っていた。

お疲れ様です、と声をかけて入ろうとすると
扉のドアに足を伸ばして
私が入れないように阻止した。

「もう来ないで。
ここにお前の居場所は無いんだよ。」

と言われた。
私は涙を堪えてその場を離れた。

そんな私でも心の拠り所が
ひとつだけあった。
付き合っている先輩。
毎日メールしていた。
今日も帰ってメールをするのが
楽しみだった。

何事もなかったかのような顔して
「ただいまー!」と家に入る。

そして携帯を開いてメールが届いてるか
確認した。

新着メール1件

先輩からだ!
私は今日の学校での嫌なことを忘れて
メールを開いた。


別れよう。


たった一言のメールだった。
私がいじめられていることを
知ったのだろう。

そのメールに返信はしなかった。

ただ、ただ、悲しかった。