「橋本さん、喋らないで前向きなさい。」



私は、いま私に話しかけている
この男が大嫌い。
どうして、いつから嫌いになったのか
分からないけど嫌い。

この男の授業なんか受けたくない。
だから私は一番前の席で、後ろの友達と
お喋りする時間にしている。

この男の名前は
杉下 優也(すぎした ゆうや)
国語の先生。

私は橋本 綾華(はしもと あやか)
私立高校2年生。

「綾華、杉下の授業聞いてあげなよ〜(笑)」

この子は、私の親友の
星山 杏奈(ほしやま あんな)
私が杉下先生が嫌いだということを
知っている。

そもそも杉下先生は女子受けがかなり悪い。

顔は悪いわけではなく、
不潔感も無いのだけど…
雰囲気が神経質そうな感じがする。

とにかく、私は杉下先生が大嫌い!