「先輩!すきです!付き合って下さい!」
高校1年。夏。私は大好きな先輩に告白した。
「あの返事はまた後ででも...」

「ごめん。」

「え...?」
「だから、ごめんって。俺さ、彼女いるし。」
終わった。終わってしまった。中学から先輩を追いかけて2年。とうとう恋は終わってしまった。
私はもともとモテないしOKしてくれないだろうな。と自覚はしていた。
走っていく先輩を見て下を向いた。暑い日差しとポニーテールが風邪になびいて揺れた。
「先輩、彼女いるのかあー...」
涙ぐんでそう呟いた。苦しい。苦しすぎるよ...
ポロポロ涙が零れてきた。仕方ない。

周りの子達もみんな彼氏or彼女持ち。クラスでは私と貝野と言うやつだけが彼氏or彼女持ちじゃなかった。

「モテない私さよう...」
言いかけた瞬間誰かが笑っている声がした。

「可哀想にきあらちゃんwww」

間違えない。声からして貝野だ。
「ちょっと?!貝野?!」
「残念ですねー笑」
貝野は木の上で叫んだ。ふざけんな!貝野だって彼女いないくせに!

「人の告白を盗み聞きするとかサイテー!それに貝野彼女いないくせに!」
べーだ!と思いっきりあっかんべーをしてやった。いい気味。

「あのねー俺が彼女いないのは好きな人以外に告られてないから告られてもふってるだけ!だって俺顔かっこいいじゃん?」

まあ確かに顔がかっこいいのは同意見だ。自我資産とか意味わからん☆
好きな人に告られてないからふるとかイケメンじゃなきゃ出来ないよ...!
こんな私なんか見向きもされないのに...

「あーあのさ!」
貝野は木からストンっと飛び降りた。
「この後一緒にスタバ行かない?」
一瞬何言ってるか理解出来なかった。
だってふられて悲しいのにその後すぐ男と一緒にスタバ行くとかどうよ?!
でも、愚痴言えそうだからいいかもしれない。
突然過ぎてヒビりすぎてるけど答えは
「いいよ!一緒に行こう!」
だった。