「えっ……………」
「なんかすごく睨まれてない……?」
「うん………………」
後ろのユキちゃんから小さなため息が聞こえる。
先生からの紹介が終わった吉岡くんはこっちの方に向かって歩いてくる。
足音が聞こえてきそうなくらい荒い歩き方で、私はもしや何か気に触ることをしてしまったのかもしれない。
「あの………?」
吉岡くんは自分の席に座る前に私の前で立ち止まった。
やっぱり、気に触ることしちゃったのかな。
「……」
「……」
吉岡くんは何も言わない。
じーっと睨みつけるように見られて私もそれを見続けることしかできない。
席につかない吉岡くんにクラス中から視線が集まる。
「吉岡くんの席はこっちだよ」
どうしようもない時間に終止符を打ってくれたのは柚月ちゃんだった。
柚月ちゃんは微笑みながら吉岡くんの席を指で指している。
吉岡くんは柚月ちゃんの方を一目見ると、自分の席へと座った。
