彼の隣、争奪戦!





「おはよう、篠原くん」

「あ、おはよう」




柚月ちゃんが挨拶をするとユキちゃんはハッとして、その後にふわりと笑って挨拶をした。


なんだか、いつもと様子が違うみたいだ。




「ユキちゃん、」




どうしたの?と聞こうとした時、教室の前のドアが開く。


担任の先生が来たみたいだ。


クラスメイトの子たちがそれぞれ席についていくので、私も話を中断して前を向くことにする。


先生は一通りクラスメイトが全員いることを確認すると、話を始めた。




「もう知ってる人もいるかもしれないけど、今日から新しく転入してきた子がいます」




先生が合図をすると前のドアが再度開いて、私たちの高校の制服を纏った男の子が入ってきた。


その子は先生の隣に立つとなんだかこちらの方に視線が向いている。…気がする。




「吉岡 穂積です、よろしくお願いします」




男の子は吉岡くんというらしい。




「何かこっち見てるみたいだけど、杏奈ちゃん知ってる子?」




視線に気づいた柚月ちゃんが私にコソコソと小さな声で話しかけた。




「ううん、ユキちゃんは?」

「知ってる、けど…」

「えっ、知ってるの?」




少し驚いてユキちゃんの方を少し向きそうになったのを堪えて、再度吉岡くんの方を向く。


すると、




「……………」




すごく睨みつけられていた。吉岡くんに。