社長はシングルファーザー

「続きまして、本日の夕食についてなんですが…」と私が言うと、

「キミも随分と堅くなってるよ?俺(社長)にスケジュール伝えるときのクセが出てしまってる」と社長に笑われてしまった。

「似た者同士…」と圭斗君は言って私たちを笑った。

「夕食はここの最上階にあるスカイレストラン、『アルベルト』に行こうと思って、予約してあります。フレンチのフルコースを堪能したいなぁと思ってまして…」と私が言うと、

「え?そんな金かけてるのか?この旅行…」とふいに社長は言い出した。

「え?逆に…どこにお金かけるんですか?たまの贅沢は人生楽しむために必要なことでしょう?質素に細々暮らさないといけないほどの財力ではないでしょう?それなりに楽しめるぐらいの財力はお持ちのはずですが?」と私が言うと、

「確かにそうだな。今まではほんとに何も使ってこなかったな。生活すると言うより俺は仕事に必死になりすぎて生きてきたようだ。こうやって旅行するのも楽しいものだな」と社長は笑ってくれた。

「そうですよ!私は毎年、この時期はこのホテルに泊まりに来ています。ホテルのスタッフさんとも仲良くなってるので色々スポットとかも教えてもらうほどです」と私が言うと、

「そうか」と一言、社長は言った。

「良いなぁ~」という圭斗君に

「これからはこうして一緒に旅行たくさんしようね!」と私は笑いかけた。

圭斗君はとびきりの笑顔で頷いた。

私たちは食事するため、改めて服装を整え、レストランに向かった。