ホテルに無事着いて、チェックインをしてお部屋に入る。

「えっ??3人一部屋?聞いてないけど…」と社長は言う。

だって言ってないもん。

「お父さんとお姉さんと一緒?やったー」と圭斗くんが言ったので、社長は渋々納得してくれた。

ホテルから見えるオーシャンビューに感動している、圭斗くん。

その横に並んで立つ社長は、いい親子の姿そのもの。

私はそんな二人を少し眺めてから、

「ちょっとごめん!電話してくるから、二人でゆっくりしてて」と言って、キーを持って部屋を出た。

私は部屋を出て深呼吸した。そしてとある人物に連絡した。

明日、お世話になるインストラクター兼ガイドの雄吾だ。

彼もまた、サーファーとしても活躍している。趣味程度と言いながらも、大会ではそれなりの実力を見せつける、まさに海に生きる男…。

私は、今日会う約束をした。

明日のための打ち合わせに。

私はホテルを出た。しばらくすると、雄吾が迎えに来てくれて、雄吾の車でドライブを楽しむ私たち。

雄吾が連れてきてくれた場所は1面コバルトブルー輝く海の世界。

空の青と海の碧がキレイなコントラストを描き、グラデーションのような輝きを放つ場所だった。

「ここ、俺の穴場…」って。

私たちはその光景だけを純粋に感じた。

仕事のことも忘れられる穏やかな時間だけが私たち二人を柔らかく包んだ。

私は今日一緒に来た、社長と息子の圭斗君の話をした。

二人の関係については深くは言わないつもりだったが丸1日過ごすなかで何かを感じるかもしれないと思い、少しだけ話した。圭斗君は昔、海で溺れかけたことがあるから潜るとかになると海を怖がるかもしれないから、サポートを頼むとお願いした。

任しとけと言ってくれたのでとても心強い。

「そうだ!近くにカフェあるんだけど寄ってかない?」と雄吾は言ってくれたので、私たちはカフェに向かった。

カフェでは雄吾に注文をお任せした。

出てきたのはコーヒーとケーキだった。

「甘いもの、欲してるんじゃないかと思って」と笑う雄吾。

私はありがとうとお礼を言った。

「インストラクター兼ガイドって大変じゃない?」と私が言うと、

「まあ、けど好きなことしてカネ貰ってるから苦ではないし楽しいよ。たまの、サーフィンもいい息抜きなってる。それにこうして、キミとも会えるしね!それよりキミの方が色々大変そうじゃない」と雄吾に言われた。

雄吾とは比較的密に連絡を取り合ってる方で恋人の話したり、仕事の話をよくするいい関係を築いている。

「まあね。色々あるけど楽しいよ今はそれなりに。充実してるしね!だからこうしてここにもこれるわけだし」と私は笑った。