「俺もさ…彼女いたの知ってるだろ?

その子怒らせちゃってさ。

俺が仕事ばっかりで構ってやらなかったからなんだけどさ。

それと、もう一つ要因があんだよ。」

「ん?どーしたの?」

彼方が立ち止まる。

「俺、その子と寝たとき寝言で、


紀紗の名前呼んでたんだってさ。


俺、全然忘れられてないんだよ。


考え直してくれない?」

彼方の顔が上手く見れない。

彼方はずっと想っててくれたんだ…。

でもわたしは元彼のこと好きだった。

忘れきってたっては言えないけどさ。