ストーカーに溺愛されても嬉しくないんですが。


さすがにびっくりして立ち止まる。


その人影がこちらを向き、さすがに鼓動がドクッと音をたてたのもつかの間。


「あ~!!つゆ~!!」


その人影から、そんな言葉が発せられた。


.........は?



「やっと帰ってきたんだな!」


人影に近づくと、予想通りーー

それはあのストーカーで。


「な...っなに待ち伏せしてるんですか!?」


ストーカーの行動がレベルアップしてる。


後をつけるだけでなく、まさか待ち伏せとは。


これは警察行きだな。


「え、つゆ!?相合い傘!?そんなサービスしてくれんの!?」


バケツを頭からかぶったようなストーカーに、さすがに傘を差してあげる。


すでに傘の意味がないくらい濡れているが。


なんでこんなところにいるんだ?


今日は用事があるって言っていたのに。


「はやく帰ったらどうですか」


そう言ってそのまま放って家のなかに入ろうとしたら。


「つゆ!誕生日おめでとう~っ!!」


ストーカーは帰るどころか、満面の笑みでそう告げてカバンのなかからプレゼントっぽいものを差し出してきた。


......。


「......」


......。


「その反応は...!嬉しすぎて言葉にできないかんじ!?

よっしゃーサプライズ成功っ!!!」


傘の下で騒ぎ出すストーカーに、

わたしはやっと理解できた。



今日用事あるって言ったのは、わたしの家に先回りして、サプライズで誕生日を祝うためだったんだ。


わたしの帰りが遅くても、雨が降ってても、ずっと待っていたなんて......ほんと、バカな人。